登山服やアルペンワードローブの原型を、モダンさかつ実用性を重んじる感性で改造しました。シルエットは、インパクトを高め、立体的で丸みのあるラインに仕立てています。幅も長さもたっぷりした点が特徴的です。モノクロームのトータルルックで重点が置かれているのは形状とアウトライン。軽やかでパリッとしたコットン、シャープなウール地、そして光沢の美しいレザーで仕立てられています。ショートパンツやトラウザーズには思いがけないオープニングやポケット遣いを盛り込み、ボリューム感を与えました。襟はネックライン上部まで伸びていますが、ジッパーで解放感を演出しています。内部にはコントラストの彩りが流れるようなマチが現れます。ジャカードやインターシャのニットにはロゴやスローガンを編み込み、シンプルなアウターウェアのブランディングの意義を職人の手練へと変化させました。テーラリングは力強く、直線的です。

 今シーズンのOAMCコレクションにはデニムが登場しました。丈夫な日本製のローファブリックを基に、アプローチを深く考え抜き、職人技と見事な仕上げ工程を作り上げています。アメリカ西海岸ハイシエラで楽しむクライミングの、暖かい雰囲気を実現し、ムラ感やモヤのある染め上がりを実現しました。力強くおおらかな形状で、ハンドメイド感が際立っています。

Re:Workは、機能的な雰囲気を保ちつつ、よりコンセプチュアルなフレームワークへと押し上げられました。カモフラージュモチーフも、オーバーダイを施したカラーパレットも、高山植物をインスピレーションとしています。ミリタリーウェアは素材も、形状も大切に扱い、再利用の対象に。丁寧に染色や仕上げを施しました。ヴィンテージのナイロン製パラシュートを解体し、成形・綿入れ・裏地付けの後オーバーダイを施すことで、円形のパネルを原料にした衣服づくりを提案しています。縫製部分は、強調されたまま残しました。何人もの人々が、時間をかけて、それぞれ違う場所でこれらの衣服を作り上げていることは、今の世界で不足していると思わざるを得ない、美しい団結と共同作業を象徴しているのです。