SS23 CONTEXT | OAMC

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2023年春夏

私たちの適切なメンタルクライム

OAMCの2023年春夏コレクションの出発点となったのは、機能性に優れたアルペンウェアの形状を研究すること。山や海辺など、アウトドアで長時間過ごすと、自然の景観に備わる幾何学性と美しさが、このような場所の探検に役立つ機能的なウェアやアクセサリー、フットウェアと対照的に類似していることが明らかになります。ボリューム感のある立体的なポケット、シャープでクリーンなシャツや、襟もとを斜めに走る1本のジッパーで区切られらたベストなど、そのフォルムは純粋で、機能性の秀逸さに疑う余地はなく、型にはまらない強烈な美的視点を提供しているのです。登山服やアルペンワードローブの原型を、モダンさかつ実用性を重んじる感性で改造しました。

しかし、今シーズン最も重要なのは、OAMC Re:Workの導入です。私たちは、既存の衣服、布地、トリムにオーバーダイ・補強を施してプロポーションを再構築し、金具遣いや布パネルを合せて改造するというアイデアに、コレクションの一部をあてがいました。今シーズンは、ミリタリーウェアやブランケットを解体し、特にアメリカのM-65フィールドジャケットライナーを完全に作り変えて、いくつかのモデルを作り出す行為に重点を置いています。

シューズやスニーカーも、アウトドア感覚を持ち合わせています。ヴィンテージ調のトレイルランニングシューズからインスピレーションを受けた素材の配合や色遣いは、自然環境に対抗する機能性と強い躍動感を想起させます。OAMC独自のアウトソールを採用した新作スニーカーは、取り外しても使用できるオーソライトインソールと、コントラストが美しい、シグネチャーのサイドグリップディテールが特徴です。ジュエリーは生命力と重厚感がポイントとなり、彫刻された鳥やビーズ製のネックレスで高山に広がる生態系の高貴さをさらに引き立てました。さらには、パウダーコーティング加工で仕上げたマットメタルのチェーンを登山用ロープに組み合わせています。アクセサリーは幾何学的なラインの、ソフトで立体的なバッグが特徴的。ベルトとしても、肩にかけても、シンプルに手持ちにしても楽しめます。手作業で編み上げたネットバッグも、鮮やかなカラーで展開しています。

 

このコレクションで使用されている布地は、深く研究され、じっくり時間をかけて開発されたものです。コーティング加工を施したコットンポプリンから、無地やムリネ状の丈夫なウール地にいたるまで、技術面で大きな進歩が見られました。染色やデニムの技法にもその成果が現れています。今シーズンもまた、手作業で施されるオーバーダイや表面加工など、職人的なアプローチの奥深さが表現されました。また、とろみのあるビスコースシルクのシャツにはインパクトの大きなフローラルプリントのモチーフをあしらいました。ケミカルウォッシュのマーブル柄を思わせる、パリッとしたコットンやシルク、そして再生ナイロン布地一面にプリントを広げたウェアも登場します。色彩は鮮明なオプティカルホワイト、クリーム、エッグシェルイエローから、サンド、ベージュ、ライラック、ペールグリーンなどのナチュラルカラー、そして力強く深みのあるブラックやグレーに至るまで、幅広く扱われています。

自然界に存在する形状は、いつでもインスピレーションの源になるもの。それぞれの要素の大きさは相対的でありながら、絶対的な影響を与えるものなのです。
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